あんだんてシャンプー通信 No.9
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あんだんてシャンプー通信
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No.6以降、=g防腐にまつわる話”を始め、前回は防腐剤がそんなに怖いものではないことをお話しました。 また、薬事法上、防腐剤とは定義されていませんが、保湿剤などで、防腐剤の効果を発揮させる例があることを書きました。 No.9の本題に入ります。 防腐にまつわる話 その4 防腐剤を表示しないのはインチキか? 化粧品などでは多くの本が発行されています。 その中に、“防腐剤を使っていませんと言いながら、他の成分でカバーしている例があるが、これではまるでインチキではないか”と騒いでいるものもあります。 いかにも歯切れのよい評論で、もっともらしく聞こえますが、本当でしょうか? 結論から言えば、物事の本質を理解していない空論ですので、惑わされないようにしましょう。 1 何のための防腐なのか? 防腐をするのは、配合成分が腐って皮膚障害を起こすのを防ぐためで、お客様のお肌を護ることが目的です。 2 色々な手段 今まで、書いてきたように、防腐剤の使用は防腐を行う最もポピュラーな手段ですが、高温殺菌、容器(*)のほかに抗菌性能のある保湿剤、洗浄成分などを活用する方法など手段は色々あります。 3 理想の形 薬事法上防腐剤と定義されたものは防腐効果がすぐれていますが、前号でも書いたように人によっては皮膚刺激となることがあります。 そこで防腐性能があって、しかも低刺激性のシャンプー配合成分を活用できれば「お客様のお肌を護る」目的にそった理想的な形となります。 インチキどころか理想的なものの1つといえるでしょう。 しかし、抗菌効果がソフトなので使用量が増えてコストアップになったり、使用感に微妙な差があったりします。 あんだんてで活用している洗浄成分はコスト面の問題がありますが、低刺激性を最優先したので採用しました。 さらに理想的な形として使用中に菌の混入のおそれのないチアパックも使用しています。 4 防腐設計は最高の企業秘密 このような状況ですので、防腐設計は最高の企業秘密、ノウハウです。 全成分表示になってから、成分自体は分かってきましたが、使用濃度、容器や熱処理などを含めてまだまだ総合的には明らかになっていません。 しかし、あんだんてでは、ある程度オープンにしています。 アミノ酸、糖、脂肪酸のように防腐の難しい生体成分関連素材を使いこなした技術の先進性に自信を持っていることと、真似する会社があって結構だと思っているからです。 お客様のお肌を護ることが化粧品技術者の使命ですから、そのために必要な技術は共有して行けばよいと思います。 このように見て行くと “防腐剤を使っていませんと言いながら、他の成分でカバーしている例があるが、これではまるでインチキではないか”という評論がいかに開発現場を知らない人の空論であるかを分かっていただけると思います。 |