あんだんてシャンプー通信 No.11
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あんだんてシャンプー通信
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前回まで防腐に関する話を書いてきましたが、今回から界面活性剤のシリーズを始めたいと思います。 界面活性剤はシャンプーはじめ、化粧品に多く使われる素材です。 しかし、脅かしの種に使われたり、誤解を受けることが多いので「あんだんてシャンプー」のホームページでは相当のスペースを使って解説しています。 No.11の本題に入ります。 石けんと界面活性剤 1 石けんと界面活性剤の関係 石けんは紀元前約5000年前から使われている界面活性剤です。 石けんが界面活性剤の1つであることは充分ご存知のことと思います。 界面活性剤のイオンの形による分類では、石けんはアニオン性界面活性剤に入ります。アニオン界面活性剤は一般に界面活性剤のなかでは洗浄力が強い方(種類によって大きく変わりますが)なので、洗剤、食器洗い、シャンプーなどに使われます。 しかし、一般の消費者の中では石けんと界面活性剤が別のものと思っている方もおられます。 一部の石けん業者、石けん愛好家が、そのように誘導している面もありますが、何故誤解が生まれてしまったのか、考えて見ましょう。 2 誤解を生む背景 戦後、急激に洗剤が普及した時に国が定めた分類が誤解を招いたようです。 洗剤の分類表 洗剤のうち、衣料用、台所用、住居用の3分野について「合成洗剤」と「セッケン」に大別しました。 消費者は合成洗剤の主成分が界面活性剤であることから、合成洗剤=合成界面活性剤というイメージがあります。 結果として「合成界面活性剤」と「石けん」と大別するようになってしまったと考えられています。 この誤解を利用して、一部の石けん業者や愛好家が「石けんは天然系でその他は合成系」とのイメージ作りをしています。 このあたりのことは「マーケッティングサイエンス・ウォッチ」さんが詳しく解説しておられます。 石けんは油脂または脂肪酸と苛性ソーダを反応して製造するものですから、化学的にみれば当然、合成界面活性剤の1つです。 このことは「界面活性剤の分類(その2)」に書きましたので、お目通しいただければ幸いです。 次号から“界面活性剤にまつわる話”として次のようなテーマを取上げる予定です。 1 天然界面活性剤 2 アミノ酸系界面活性剤 3 石けん 4 高級アルコール系界面活性剤 5 石油系界面活性剤 |